[boost]サイト上のシリアライズデータをダウンロードせずにデシリアライズする[C++Builder]

boost::serializatioでシリアライズしたデータがweb上(例えば自分のサイト)にあり、PC上のプログラムから利用したい場合、一時的にダウンロードしてデシリアライズすれば簡単なのだが、後で一時ファイルを削除する手間が生じる。

以下、ダウンロードしないまま利用する方法をメモ。

手順は以下の3ステップ。
(1)UrlからデータをTStreamに読み込む
(2)TStreamからバイト列(char配列)に書き込む
(3)バイト列からデシリアライズ(boost::iostreamsを使う)

C++Builder10.2.3 (Boost1.55.0) / Windows10(22H2)で確認。

続・Compositeパターンをshared_ptrで実装する…Clone/Assignの追加

Compositeパターンをshared_ptrで実装するの続き。

DeepCopyを作る”Clone”メソッドや、他のComponentから内容をコピーする”Assign”メソッドもあると便利。

Compositeもメンバ変数を保持することも想定して実装してみる。
もっとスマートなやり方もありそうだが、とりあえず、Compositeとその子クラスに非公開のデフォルトコンストラクタを実装する方式で。
(前回同様、c++11の機能を使っているが、c++11以前でもboost利用で同様の実装が可能。また行数省略のためすべてheaderに実装している。)

1.Componentクラス
Clone/Assign用の純粋仮想関数を追加する。

2.Compositeクラス
Clone/Assignメソッドを実装する。
Compositeの派生クラス用の純粋仮想関数doClone/doAssignも追加。
デフォルトConstructorはprotectedとする。
メンバ変数”name_”も追加、

3.ConcreteCompositeクラス
doClone/doAssignメソッドを実装する。非公開のコンストラクタも追加。
doCloneは非公開のデフォルトコンストラクタで作成したshared_ptrを返すだけ。

(不正なAssignの対応は何もしていないが、本来は例外を投げるなどのエラー処理が必要かも)

4.テストコード
適当に親子関係を作成した後、CloneとAssignを実行する。

実行結果
————————
name:c1/A: val == 3
 name:c2/B: str == child
  name:c3/B: str == child of child
   name:c4/A: val == 107
 name:c5/B: str == other child
–Clone–
name:c1/A: val == 3
 name:c2/B: str == child
  name:c3/B: str == child of child
   name:c4/A: val == 107
 name:c5/B: str == other child
–Before Assign–
name:assigned_compo/A: val == 0
–After Assign–
name:c1/A: val == 3
 name:c2/B: str == child
  name:c3/B: str == child of child
   name:c4/A: val == 107
 name:c5/B: str == other child
————————

ConcreteCompositeのメンバを追加・変更した場合、doAssignメソッドのみを書き換えればOK。

Compositeパターンをshared_ptrで実装する

かつて情報をネットで探したときに、断片的な情報はあるものの、分かりやすいサンプルが見付からなかったのでメモ。
Compositeパターンをshared_ptrで実装するのは、単にポインタをshared_ptrに置き換えるだけだと、循環参照が発生する。

ポイントは2つ。
 1.親(Parent)のポインタはshared_ptrでなくweak_ptrに置き換える
 2.shared_from_thisを使う

以下のコードはc++11以降のstl版だが、c++11以前でもboostで同様の実装が可能。必要なヘッダをincludeすれば”std::”を”boost::”に置き換えるだけでOK。
(説明を短くするために全てheaderに入れている)

まずComponentクラス。
メンバ”parent_”をweak_ptrで保持する。

(Executeは階層構造を出力するだけのテスト用Method)

つづいてCompositeクラス。
継承元に”std::enable_shared_from_this”を指定するのがポイント。
また”Add”で親をセットする際、”shared_from_this()”を使う。


CompositeのConcreteクラスを2つ作ってみる。ひとつはstd::string, もう一つはintをメンバに持つことにする。

実行してみる。適当に親子関係を作り、出力。

出力結果。
—————————————-
A: val == 3
 B: str == child
  B: str == child of child
   A: val == 107
 B: str == other child
—————————————-

生ポインタを使うのと比べ、解放処理が不要で便利。